離婚問題

子の引き渡し求める間接強制が権利濫用とされた事例

この記事を書いたのは:川口 正広

婚姻中の父母のうち、父に対して長男,二男・長女を母に引き渡すよう命ずる審判を債務名義とする長男の引渡しについての間接強制の申立ては,次の(1),(2)などの事情の下では,権利の濫用に当たるので間接強制は許されない。

(1)上記審判を債務名義とする引渡執行の際,二男・長女が母に引き渡されたにもかかわらず,長男(9歳)については,引き渡されることを拒絶して呼吸困難に陥りそうになったため,執行不能となった。

(2) 父等に対する人身保護請求事件において,長男は,母に引き渡されることを拒絶する意思を明確に表示し,父等の影響を受けたものではなく自由意思に基づいて父等のもとにとどまっているとして棄却された。

@最高裁平成31年4月26日決定


この記事を書いたのは:
川口 正広