離婚問題

婚姻費用って、いつから請求できるの?

この記事を書いたのは:林 太郎

1 婚姻費用とは

 婚姻費用とは、夫婦間で分担する家族の生活費のことで、別居状態の解消あるいは離婚まで、原則として収入の多い方から収入の少ない方に対して支払うことが求められます。なお、多くの場合は、別居しているケースで問題となりますが、家庭内別居のケースでも支払いを求めることが可能です。

2 いつから請求できるのか?

 婚姻費用分担額については、過去に遡って決定することは許されますので、どこまで遡って請求できるのかという問題です。 

 結論からすると、実務においては、婚姻費用の分担義務がはじまるのは、請求時以降とされていると言っていいと思います。例えば、令和3年6月1日に請求した場合で、同年9月に金額が決まった場合でも、請求時の6月以降から分担義務が発生することになります。

 一方で、請求時より前の過去に遡って婚姻費用を請求することは基本的には難しいといえますので、上記の例では令和3年5月以前の分について分担義務があるとして請求するのは難しいといえます。

 そして、請求時というのは、調停や審判の申立時だけでなく、事実上請求していれば、その請求した時が婚姻費用分担義務の始期となります。ただし、請求した・してないで争いとなるのを避けるためには、内容証明郵便などで請求しておくのがよいでしょう。 

 当事務所は、婚姻費用の問題についても、今までよく扱ってきましたので、まずはお気軽にご相談ください。


この記事を書いたのは:
林 太郎