インターネット

Twitter(ツイッター)社に対する投稿記事の削除請求

平成24年に男性が女湯脱衣場に侵入して逮捕されたという事件があったところ、当時のニュースで実名報道されたということがありました。当時のツイッターにおいても、ユーザーが逮捕事実を実名入りでツイッターに投稿していました。

しかし、その後かなりの年月が経過し、グーグルなどでは検索表示されなくなったにも関わらず、ツイッターでは当時の投稿が残っているため、今でもツイッターで検索すると実名入りで逮捕事実が検索されます。
そこで、男性は、こうしたことにより就職等で不利益を受けたとして、ツイッター社に対し、前記投稿を削除するように求めて裁判を提起しました。

すると、裁判所は、
確かに、逮捕事実もプライバシーに属する事実であってみだりに公表されないという法的利益があり、投稿記事によって男性が不利益を受けるさいさい可能性はある。
しかし、逮捕事実は決して軽微な犯罪ではなく、投稿記事は公共の利害に係り公益目的で投稿されたこと、すでにグーグルなどの一般的な検索サイトでは表示されることはなく不利益を受ける程度も低下している。
そうすると、本件投稿記事を一般の閲覧に供する諸事情よりも、逮捕事実を公表されない法的利益が優越することが明らかであるとまでは言えない。
そこで、ツイッター社に対する投稿の削除請求は認めることができないと判決しました。
@東京高裁令和2年6月29日判決(判時第2462号14頁)

この判決は、公表されない法的利益と、情報を一般の閲覧に供し続ける理由に関する諸事情を比較して、公表されない法的利益が優越することが「明らかな場合」に限り、削除請求が可能であるとしたものです。