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バーチャルYouTuberに対する誹謗中傷

この記事を書いたのは:川口 正広

本名や容姿等を明らかにせずに、架空のキャラクターのアバターを利用して、バーチャルYouTuberとして活動していたところ、「バカ女」「母親がいないせいで精神が未熟」などとTwitterに投稿された。

そこで、バーチャルYouTuberとして活動していた原告が、発信者の情報を開示するよう接続プロバイダに対し訴訟をした事案がありました。

接続プロバイダからは、Twitterに投稿された誹謗中傷は、原告本人に向けられたものではなく、あくまで架空のキャラクターのアバターに向けられたものであるから、原告自身の権利を侵害したものではないので、発信者情報の開示を求めることはできないと反論がなされました。

裁判所は、原告は架空のキャラクターを用いていわば衣装のようにまとって動画配信などの活動をしていると言えることから、本件投稿の侮辱により名誉感情を侵害されたのは原告本人であるとして、発信者の情報を開示するよう命じました。

@大阪地裁令和4年8月31日判決(判時第2564号24頁)

「衣装」という言い方が面白いですね。


この記事を書いたのは:
川口 正広