交通事故
外貌醜状と逸失利益
この記事を書いたのは:林 太郎
後遺障害等級が認定されれば、等級ごとに労働能力喪失があったとされ、逸失利益が認められるのが一般的です。
しかし、外貌醜状の後遺障害の場合、労働能力の喪失があるのかという問題が生じ得ます。つまり、例えば顔面に後遺障害認定されるほどの傷が残ってしまっても、モデル等限られた職業以外には、仕事を遂行する上で直接的な影響はないので、労働能力の喪失はないのではないかという問題です。
外貌醜状といっても、その内容や程度、被害者の方の職業や年齢等によって様々であって、一概にはいえないものの、そういった事情を検討した上で、就職や転職に影響が出るなど、職業の範囲が制限される可能性がある等の場合には、労働能力の喪失は認められるべきでしょう。実際に、外貌醜状の場合にも、労働能力の喪失を認めている裁判例は少なくないといえます。
外貌醜状の後遺障害の場合であっても、上記の要素などを検討した上で、労働能力が喪失されたとして逸失利益の支払も求めていくことが必要だと思います。
この記事を書いたのは:
林 太郎