相続・遺言

賃貸借契約の保証人が死亡したらその相続人は責任を負うのか

誰しも保証人になりたい人はいないと思いますが、それでも見かけるのは借家の保証ですよね。賃貸借契約のときに、賃借人の親族がその連帯保証人になることは良くあります。


では、この保証人が死亡した場合、保証債務は相続人に相続されるでしょうか。
これは、2020年4月1日以後の契約か、それより前の契約かで説明が変わってきます。


1 2020年4月1日より前の賃貸借契約

この時期の賃貸借契約というのは、極度額の定めがないものがほとんどですが、保証人が死亡した時点においてすでに生じている滞納家賃については相続人に相続されますが、連帯保証人の死亡後に発生した滞納家賃については相続されない、と考えて良いと思います(最高裁昭和37年11月9日判決)。


そのため、保証人が死亡した後に、賃借人が家賃を滞納しても、連帯保証人の相続人は責任を負うことはありません。

2 2020年4月1日以後の賃貸借契約

この時期の賃貸借契約における保証には、必ず極度額(保証の上限)を定める必要があり、仮に極度額の定めがなければ保証契約は無効となります(民法465条の2)。


そして、極度額の定めがあって保証契約が有効であっても、保証人の死亡は元本確定事由となっていますので(民法465条の4)、保証人が死亡した時点において家賃の滞納がなければ、それ以後に発生する滞納家賃について、保証人の相続人が責任を負うことはありません。

他方、保証人が死亡した時点においてすでに滞納家賃が発生していれば、極度額の範囲で保証人の相続人も責任を負うことになります。


3 結論


賃貸借契約の保証人が死亡した場合、保証人の相続人にどのような責任があるかについては、保証人の死亡時において滞納家賃が発生していなければ責任を負うことはありません。しかし、保証人の死亡時においてすでに滞納家賃が発生していれば、保証人の相続人に責任が及ぶということとなります。